音楽

Caravanserai / SANTANA (1972)

1972年10月リリースの4作目。 レコードのA面とB面がそれぞれひと繋がりの組曲のような作りになっているアルバムで、各楽曲は単体での完成度以上にアルバム内での役割を重視した作曲および編曲がなされている。 ぱっと聴きこれ以前の3枚と今作でサウンドが大…

Forever 7" / Roy Wood (1973)

1973年11月16日リリース(とレーベルに表記されてる)。 ロイ・ウッドのソロとしては3枚目のシングルで、イギリスのシングル・チャートで最高8位を記録、13週にわたってチャートインし続けた。 あんまり売れ続けたもんだからWIZZARDのほうでリリースしたクリ…

JAN & DEAN (1967)

Liberty Records傘下の廉価盤レーベル、SunsetからリリースされたJAN & DEANのコンピレーション・アルバム。 確証はないけどおそらく1967年頃、ジャン・ベリーの事故後のリリースだろうと思う。 ステレオ盤とモノラル盤があり、手持ちはステレオ。 Jan & Dea…

SANTANA’s Greatest Hits (1974)

1974年7月リリースのコンピレーション・アルバム。SANTANAとしてのスタジオ・アルバムでいうと『Welcome』と『Borboletta』の間、もっと細かくいうと日本限定のライブ盤『Lotus』とカルロス・サンタナとアリス・コルトレーンの共演盤『Illuminations』の間と…

First Miles / Miles Davis (1988/1994)

マイルス・デイヴィスのはじめてのセッション2つを収録したコンピレーションで、1988年にLPでリリースされた。 2つのセッションはレコードのA面とB面にそれぞれ割り振られ、A面はマイルスの初レコーディング、B面は初リーダー・セッションとなっている。 音…

My Maria / B.W. Stevenson (1973/2020)

1973年リリース、テキサスはダラス出身の歌手B.W. スティーヴンソンの3rdアルバム。 プロデュースはデヴィッド・カーシェンバウムで、ハリウッドのRCA Victor's Music Center Of The Worldで録音された。スティーブンソンの自作3曲を除いてジム・ゴードン、…

マイルス・デイヴィスのレコーディング・セッションを自分なりにまとめようとした話

マイルス・デイヴィスがPrestigeと契約してレコーディングをはじめた1951年ってちょうど時期的にジャズのリリースがSPから10”LPとEPに移行する頃合いで、その後1955年あたりを境にPrestigeは10”LPを廃止、それまでリリースしてきた音源を順次12”LPに再編集し…

Birth of the Cool / Miles Davis (1957/1998/2001)

1948年9月、ニューヨークのクラブ「ロイヤル・ルースト」への出演機会を得たマイルス・デイヴィスは、かねてから編曲家ギル・エヴァンスや同じく編曲家でバリトン・サックス奏者のジェリー・マリガンらとともに構想をねっていたノネット(九重奏団)を現実の…

モーツァルト:ピアノ・ソナタ集 ラルス・フォークト (2019)

ラルス・フォークトによるモーツァルトのピアノ・ソナタ第2番、第3番、第8番、第13番。 ケルンのドイツ放送室内楽ホールで、第2番と第3番は2016年5月、第8番と第13番は2019年1月に録音された。 フレーズのひとつひとつに対してその前後の連なりまで含めた意…

The Lamb Lies Down On Broadway / GENESIS (1974/1994/2008)

1974年11月リリース。レコード2枚組の大作ではあるが、これまでのいわゆる「長尺曲」がほぼなくなり基本的に明るめでポップな歌ものが全編を占めている、と言えなくもない。 明るめでポップというより不思議でぶっちゃけ変、すごくおもしろいけどその実よく…

GENESIS『Selling England by the Pound』歌詞のメモ

scnsvr.hatenablog.com 前回の記事でかるく歌詞にふれようとして挫折した残骸。英語わかんない(日本語もわからん 「Dancing with the Moonlit Knight」 "Can you tell me where my country lies?" Said the unifaun to his true love's eyes. LieとTrueの対…

Selling England by the Pound / GENESIS (1973/1994/2008)

1973年9月リリースの5作目。演劇的、幻想的でありつつ表面的な毒々しさは薄まった、明快で美しい旋律をもつ親しみやすい作品。 前作までの荒々しさは力強さとそれに裏付けられた端正さへと昇華され、これまで以上に表現の一つ一つや楽曲展開が磨かれた結果『…

ストラヴィンスキー:『星の王』『春の祭典』 ティルソン・トーマス指揮ボストン響 (1972/2015)

PENTATONEレーベルによる、Deutsche Grammophonが70年代に制作したマルチチャンネル録音をハイブリッドSACDで復刻する『Remastered Classics』シリーズの1枚。 1972年1月、Boston Symphony Hallにおける録音。当時28歳のマイケル・ティルソン・トーマスとボ…

Amarok / Mike Oldfield (1990)

1990年6月14日リリース、マイク・オールドフィールド12枚目のアルバム。80年代後半にはすっかり歌ものポップスが板についていたマイクが90年代の幕開けとともに放った、一枚一曲一時間ぶっ通しの一大音楽絵巻。60分ノンストップで次々と新しい展開が現れる楽…

Discovery / Mike Oldfield (1984/2016)

1984年発表のマイク・オールドフィールド9枚目のアルバム。タイトルはジャケット表に『Discovery』、背と裏には『Discovery And The Lake』と表記されている。前作B面、特に「Moonlight Shadow」の成功で手応えを掴んだであろうマイクがより大人向け風な歌も…

Crises / Mike Oldfield (1983/2013)

1983年発表。70年代的な中音域の厚み感みたいなものが残っていた前作『Five Miles Out』からシンセサイザーやパーカッションの残響が美しい冷たく透き通ったNew Wave的サウンドへと変化した作品。ジャケットのイラストや色使いもこのアルバムの響きによくマ…

Five Miles Out / Mike Oldfield (1982/2013)

1982年発表。アメリア・イアハートを想起するジャケット・イラストや「Taurus II」「Orabidoo」「Five Miles Out」といった各楽曲に共通する主題・歌詞から旅にまつわる希望や喜びそして恐怖といったテーマがおぼろげに浮かび上がってくるアルバム。 プロデ…

QE2 / Mike Oldfield (1980/2012)

マイク・オールドフィールドの80年代幕開けを飾るアルバムであるが、なんとなく「ここらでひと休み」感もある、これまでより肩の力を抜いた雰囲気の作品。3, 4分程度のインストが多く収録され、しかもうち2曲はポップスのカバーというあきらかにこれまでとは…

Platinum / Mike Oldfield (1979/2012)

1979年、マイク・オールドフィールドのはじめてのライブ・ツアー後の作品。内容的には充実していたが大赤字だったツアーの影響かアメリカンなポップス的要素を大々的に導入しており、これはこれでかなり独自色が強い作品に仕上がっている。 A面に長尺曲、B面…

Incantations / Mike Oldfield (1978/2011)

1978年リリースの4thアルバムで、レコード2枚組の大作。3年前の前作『Ommadawn』はLP両面ともはっきりとした序破急の展開を持つ密度の高いタイプの傑作であったが、こちらはいくつかの主題をじっくりと反復しつつレコード4面かけてじわじわ深まっていくタイ…

Ommadawn / Mike Oldfield (1975/2010)

1975年発表の3rdアルバム。魅力的な主題や展開が散りばめられつつも楽曲構成そのものはこれまでより簡潔でキャッチーにまとめられた充実した作品となっており、最高傑作に挙げられることも多い。

Hergest Ridge / Mike Oldfield (1974/2010)

1974年リリースの2ndアルバム。タイトルとジャケットから連想されるイギリスの自然風景のイメージどおり、トラッド・フォーク色の濃いゆったりとした曲展開が特徴。 ただし牧歌的で穏やかな曲調にあっても常に一抹の寂しさというか諦観のようなものがつきま…

Tubular Bells / Mike Oldfield (1973/2009)

1973年発表、マイク・オールドフィールドとVirgin Records双方にとっての“Virgin Release”である記念碑的作品。レコード片面1曲の2パート構成で、両パートとも冒頭で示される旋律がミニマル・ミュージック的反復とカノンや変奏曲を思わせる曲展開によって様…