Forever 7" / Roy Wood (1973)
1973年11月16日リリース(とレーベルに表記されてる)。
ロイ・ウッドのソロとしては3枚目のシングルで、イギリスのシングル・チャートで最高8位を記録、13週にわたってチャートインし続けた。
あんまり売れ続けたもんだからWIZZARDのほうでリリースしたクリスマス向けシングル「I Wish It Could Be Christmas Everyday」と時期が被って、74年1月には一時「Forever」のが上位になったりもしたらしい。
ロイ・ウッドはTHE MOVEとWIZZARDで合計3枚のNo.1ヒットを経験しているが、ソロとしてはたぶんこれが最大のヒットなんじゃないだろうか。
これ以前にロイ・ウッド名義でリリースされたシングル2枚はどちらも彼の1stソロ・アルバム『Boulders』関連のものだったが、このシングルはそれらとは異なり単品リリースのみで、オリジナル・アルバムには未収録。
自分はロイ・ウッドのバイオグラフィーには疎いので、なんでこのタイミングでぽろっとソロ・シングルがリリースされたのかいまいちわからない。
たぶんずっと前に完成していながら塩漬けにされてた『Boulders』とそこからのシングル「Dear Elaine」が案外売れたからおかわりってことだったんだろうとは思うけど。
「Forever」はレーベル面にわざわざ "With special thanks to Brian Wilson and Neil Sedaka for their influence" と記載しているだけあってブライアン・ウィルソンとニール・セダカへのリスペクトを感じさせる楽曲。
イントロからTHE BEACH BOYSオマージュでそのまま1番はいかにもそれっぽいコーラスが続き、2番になるとコーラスもリード・ヴォーカルの音処理も変わって今度はニール・セダカ風。弦のピチカートが見事にツボを心得てる。
その後も2つの作風が互い違いに現れるようになっているが、それでいて全体的なメロディ・センスや細かい音使いは紛れもなくロイ・ウッド自身のもの。
個人的には1:05あたりからの、ギコギコな低弦が入ってきてしばらく同じ調子が続き、一旦転調を挟んで3番に入る流れが好きです。
あと0:36あたりのパートってなにか元ネタがある気がするんだけど思いつかない。
B面は素敵なタイトルのインストで、レーベル面の表記によればすべての楽器をロイ・ウッド自身が手掛けている。
地中海風というのが具体的にどういうことかわからないんだけどとりあえず地中海風って印象のマンドリン3本くらいとベースとドラムのアンサンブルが中心で、中間に初期ELOを思い出す管や弦を中心にした大仰な展開が挟まる感じ。クラシックのパロディ的なメロディもちょこちょこ出てくる。
このトラック、以前は誰かがYouTubeにアップロードしてもなぜかすぐ削除されてしまってた記憶があるんだけど、さすがに正式なライセンスのもと自動生成されたクリップは消されないっぽいですね。
英Harvestのプロモ盤で、両面ともマト末尾は1。
発売日と"RADIO TEESSIDE"らしきスタンプが押されてるので、なんの因果かティーズサイドのラジオ局から日本の片田舎まで流れてくるはめになったのだと思われる。
ロイ・ウッドのソロとしては代表的なシングルだからか、どちらのトラックもオリジナル・アルバムにこそ未収録だけどわりといろんな編集盤に入っていてなにかしら聴く機会があると思う。
とりあえずApple Musicにあったやつで言うと、
あるいは
の2つが有力候補になるかと。
ただし前者はEditバージョンで、フェードアウトがちょっと早い。
Discogs見た感じ当時のUS盤は3分きっかりに編集されていたっぽいので、どうせならそっちを収録すれば資料的価値があったんじゃないかと思わなくもない(けど台無しな編集の可能性もある)。