Apple Musicで配信されてるサラウンド音源を聴く
Dolby Atmosを5.1chにダウンコンバートして聴く
去年の秋だか冬だかに10年近く使っていろいろ限界を越えはじめていたMac miniをM1チップ搭載の機種に買い替えたことで、Apple Musicをロスレス再生できるようになりました🎉。
そうなると今度は24bit/48kHz以上のハイレゾやDolby Atmosが気になってくる。いやほんとは前から気になってて Windowsにいかず再度Mac miniを選んだのもその第一歩くらいの気持ちがあった。
現在自分はApple Musicを主にMac miniとHDMIで接続したAVアンプ、YamahaのRX-V479で再生しています。
RX-V479はたしか2015年頃発売のこういったものとしては安価に入手できた機種で当然Dolby Atmosには未対応*1。
未対応なのでてっきりApple Musicからのサラウンド再生自体ができないものと思い込んでたんだけど、試してみたら特別な設定はしなくてもDolby Atmos音源を5.1chにダウンコンバートして再生できました。
Audio MIDI設定。RX-V479(を介してMac miniと繋がってるモニター)をサウンド出力装置に設定して、なんか8chにもできるけど意味あるのかわからんし6chに。
ミュージックの設定の再生タブ。Dolby Atmosを再生できる場合も設定自体はおなじだと思う。
ちなみにMacはHDMI接続で24bit/48kHzまでしか出力できないのでこの設定に意味はないどころかきちんと合ってる場合より音質的に多少不利になる可能性すらあるっぽい。
少なくともMac miniとAVアンプをHDMI接続してる限りでは、これだけでDolby Atmosを5.1chにダウンコンバートして再生してくれます。
よくわかってないんだけど、ようするに再生装置(この場合はAVアンプ)がDolby Audioにさえ対応していれば、Dolby Atmosには未対応でもここに書かれている「その他のドルビーオーディオ形式」で再生してくれるということなんだろう。
知ってる人には当たり前なことなんだろうけど、自分の狭い観測範囲と乏しい検索能力では「Apple MusicのDolby Atmosを再生するにはDolby Atmos対応の装置が必要」というまあそうなんだけどそれだけじゃないだろくらいの話題がほとんどで、こういう下位互換的な話は見かけた記憶はなくサラウンドで再生できたときはそれはもう驚きました。
ともかくこれで聴きたかったアレやコレが・・・!!!
https://music.apple.com/jp/album/waka-jawaka/1442698083
アレの一例。
https://music.apple.com/jp/album/american-beauty/664831661
コレの一例。
Apple Musicのアルバム表示画面でDolby Atmosロゴが出るのは「アルバム全曲がAtmos」の場合のみなので、たとえば「アルバム本編はAtmosでボーナストラックはステレオのみ」の場合Atmosロゴは表示されずLosslessロゴのみになる。
たとえば、
https://music.apple.com/jp/album/moving-pictures-40th-anniversary/1608075150
これもアルバム本編はすべてAtmosになっている。
あとアルバム中有名な1曲だけAtmosになっているようなのがちょろちょろあって、アルバムを通して聴いてると急に鳴り方が変わるので正直言って邪魔。
加えてこういう1曲だけのやつはたいてい初聴きのインパクトだけ狙ったような派手だけどその音楽の魅力は損なっているようなミックスが多い。一瞬筆が乗って「4chステレオ時代のダメミックスみたい」と書きそうになったけどさすがにそこまで酷くはないですが。
これとか
これとか
なんかバランスの傾向的にAVアンプの自動調整機能でスピーカーをセッティングしてそのまま鳴らしたときに近い気がする。
もちろんこういう1曲だけAtmosのなかにも良いミックスはある。
これはおそらくスティーヴン・ウィルソンがリミックスを手がけていて、楽器間の音量バランスや繋がりといった点でオリジナルを尊重しつつステレオとは違った聴きごたえを出している。
とはいえやっぱりAtmos版はシングル扱いとかでアルバムとは区別してほしかった。
その他のDolby Audioを聴く
さて、Apple Musicには「Dolby AtmosじゃないDolby Audio」も配信されている。
つまり5.1chとかあるいは4chのサラウンド音源で、大抵の音源は新しく制作されたものではなく過去のマテリアルをせっかくだからそのまま配信してる感じっぽい。
だいたいSACDやDVDに収録されていた5.1ch音源とQUAD時代の音源をデジタル化したもののどちらかで、ようするに宝の山。
たとえば
https://music.apple.com/jp/album/agents-of-fortune/217555955
BLUE ÖYSTER CULTの『Agents of Fortune』。2001年のSACDにあわせて制作されたサラウンド音源だと思われる。
https://music.apple.com/jp/album/secret-treaties/186069324
BLUE ÖYSTER CULTの『Secret Treaties』。オリジナルのQUAD音源をデジタル化したもので、以前Audio FidelityからSACDでリイシューされていた。
すごいのは
https://music.apple.com/jp/album/tyranny-and-mutation/185664277
BLUE ÖYSTER CULTの『Tyranny and Mutation』!!!
当時のQUAD音源だけど自分が知る限りこれまで公式にリイシューされたことはなかったはず。なにかしらのタイミングでデジタル化はされていて、リリース機会がなかったのを蔵出ししてきたということだろうか?
この3つを見ただけでもどれほどの宝の山かわかっていただけると思う。
あとやっぱりアルバム全曲がDolby Audioじゃないとロゴが表示されないので、
https://music.apple.com/jp/album/tyranny-and-mutation/185664277
このアルバムみたいに再生してみないとサラウンドだとわからないものが紛れ込んでいる。
おまけ
じつはApple Musicにはこれら以外にも、ずっと前から配信されているサラウンド音源がある。
たとえば
https://music.apple.com/jp/album/symphonic-music-of-yes/258606417
これとか
https://music.apple.com/jp/album/symphonic-battle-scenes/276761194
これとか
ようするに昔あったDolby Surround CDの音源がそのまま配信されているやつで、探してみると沢山はないけどちょろちょろとは見つかる。
https://music.apple.com/jp/album/themes-from-the-godfather-romeo-juliet-jaws/299627052
こういうのもある。
あとはDolby Surround CDに力を入れてたTelarcレーベルのアルバムとかも。
まあそもそも最近はDolbyが「Dolby Surround」の名称をDolby Atmosへのアップコンバート機能に使いはじめてこの時代のものは過去の遺物になっていて、AVアンプにもステレオや5.1chをAtmosにアップコンバートする「Dolby Surround」機能はあってもPro LogicとかPro Logic IIとかは積まれなくなって久しいのですが。
YamahaとかDenonみたいなAVアンプにPhono入力も付けてレコード再生に対応してるメーカーがQUAD時代のマトリクス方式のエンコーダーをデジタルで再現したの含めてこういうの全積みした機種を作ってくれないものですかね。