なにげなくウィーンフィルの公式サイトをのぞいてみたら創立以降のすべての公演を検索できるデータベースなるものが公開されてたので、ちょうど聴いてるとこだった1968年のウィーン芸術週間公演のページリンクを自分用にまとめといただけの記事。
2005 Testament SBT8 1365
2005年にTestamentが出した、ウィーンフィルによる1968年芸術週間のORF放送音源をまとめたCD8枚組箱。
指揮はオットー・クレンペラーで、すべてウィーン楽友協会大ホール。当時のプロデューサーやバランス・エンジニア(トーンマイスター)は不明。
リマスターはTestament盤では毎度お馴染みRe:SoundのPaul Baily。ノイズ・リダクションを効かせすぎという意見もあるけど、これだけ聴いてる分には特に不満のない綺麗な音になってると思う。
CDは収録時間の都合で必ずしも公演通りの曲順になっていないので自分で参照する目的もあってこの記事をまとめたわけなんだけど、後でブックレットを再確認したら最初のページにでかでかと全日程が掲載されてました。ね、ネット上には案外ちゃんと纏められてなかったりもするから・・・
なおこの箱はおまけで1958年の『ドイツ・レクイエム』も収録(これだけモノラルであとはステレオ)。
公演は芸術週間中の日曜朝に全5回、JSバッハからストラヴィンスキーまでを横断するプログラムが計画された。
1968年5月19日
Opening Concert Vienna Festival Weeks - Vienna Philharmonic
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調 BWV 1046
モーツァルト:管楽セレナーデ ハ短調 KV 388 「ナハトムジーク」
モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」
思い返せば一時期の自分は「モダンオーケストラのバッハ演奏なんてかったるくてとても聴いてられない」ってノリだったんだけど、気がつけばすっかりこういうのも普通に聴くようになってました。
モーツァルトの41番はそれにしたって冒頭からあまりにも遅くて思わずにっこり。
1968年5月26日
Vienna Festival Weeks - Vienna Philharmonic
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」 ハ短調 作品62
ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67
なんというか「ベートーヴェンっぽい」というよりむしろ、頭の中にある実在しない空想上の「ある時代までのドイツっぽい」イメージがそのまま音になったような公演(なんだそりゃ)。
1968年6月2日
Vienna Festival Weeks - Vienna Philharmonic
ラモー:ガヴォットと6つの変奏
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調
当初はハイドンの交響曲第101番が予定されたが、後からクレンペラー自身の編曲によるラモーに変更された。
6月6日にロバート・ケネディ上院議員暗殺事件が発生。それを受け6月9日公演ではクレンペラーの意向もあり『フリーメーソンのための葬送音楽』が冒頭に演奏されたものの、「公式には」録音は残されなかった。つまり非公式な録音は残されたわけだけど、あくまで非公式なのでORFの公式な録音をまとめたこの箱には未収録。
1968年6月9日
Vienna Festival Weeks - Vienna Philharmonic
モーツァルト:フリーメーソンのための葬送音楽 K.477 (479a)
マーラー:交響曲第9番 ニ長調
1968年6月16日
Vienna Festival Weeks - Vienna Philharmonic
シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D.759 「未完成」
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」 作品20
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」 前奏曲
ワーグナー:歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 前奏曲(第1幕への前奏曲)
あれ、さっきまでそこにあったストラヴィンスキーは???
なんか「やっぱ芸術週間の締めはもうちょいうちらに馴染みのあるやつがいいよね〜」「ほらちょうどマイスタージンガーなんて初演100周年だし」「てかこのペトなんとかってやつ拍子記号多すぎでしょ、うちらこういうんじゃないんで」みたいな流れがあったらしい・・・(一部誇張あり
この箱に先駆け1991年にDeutsche Grammophonがウィーンフィル150周年記念としてこれらの公演からベト5とシュバ8をピックアップしてCDリリースしている。そちらでは未完成の演奏終了直後に観衆とも楽団員か指揮者ともつかない「schön」という声が入っていたのが、この箱ではリマスターの際に消去されたんだかそもそも元になったソースに含まれていなかったのか入っていない。
正直DGのは記念盤という性質のものでもあるし、たとえば某バイロイト音楽祭での記念碑的レコードの冒頭に本番とは違う指揮者の足音が入ってたみたいな、レーベルやプロデューサーなりの気の利いた演出みたいなものだったんじゃ、と邪推してしまったりもする。
おまけ
1958年6月15日
First European Choir Festival - Vienna Philharmonic
ブラームス:ドイツ・レクイエム
ソプラノはヴィルマ・リップ、バリトンにエーベルハルト・ウェヒター。
てっきり1958年の芸術週間かと思ったらなんか違う催しのものらしい。ちなみに6月1日のオープニング・コンサートのほうはサヴァリッシュが指揮している。
ところでこれはほんとに偶然なんだけど、ちょうど6月末にTestamentの国内仕様盤がいろいろ再発予定で、そのなかにこの箱も含まれてるらしいです。























