GENESIS『Selling England by the Pound』歌詞のメモ
前回の記事でかるく歌詞にふれようとして挫折した残骸。英語わかんない(日本語もわからん
「Dancing with the Moonlit Knight」
"Can you tell me where my country lies?"
Said the unifaun to his true love's eyes.
- LieとTrueの対比。
- UnifaunはUniform(制服、あるいはそれを着た軍人)とFaunをかけた造語らしい。Faun、ファウヌスあるいはフォーンは半人半山羊の神格で、ギリシャのパーンやサテュロスとも同一視される。おそらく最も有名なのは『ナルニア国物語』に登場するタムナスで、後のスティーヴ・ハケットのソロに「Narnia」って曲がある。加えて半人半山羊に共通する「性欲旺盛」のイメージが含まれているようにも。
"It lies with me!", cried the Queen of Maybe
For her merchandise, he traded in his prize.
- Can You Tell Me Where My Country Lies - It lies with me、で性的な含み?
- Queen of Maybe、Queen of Mayとかけてる。
- 神話モチーフっぽい出だしからマーチャンダイズとかプライズとかいきなりビジネスっぽい単語が出てきて「あれっ?」てなる感じだろうか。
"Paper late!" cried a voice in the crowd.
- 通りで「夕刊だよ!」みたいに売ってる光景を思い浮かべてたんだけど改めて考えてみるとそれで合ってるのかわかんなかった。ググると真っ先に出てくるのがこのバンドがこの歌詞からタイトルを採った1982年の楽曲という。
"Old man dies!"
- 世知辛い感じにしたいときにとりあえず年寄りを死なせとくやつ。
Selling England by the pound
Citizens of Hope & Glory
- Land of Hope & Glory
Chewing through your Wimpy dreams
- Wimpyってイギリスのハンバーガーチェーンがある。
Digesting England by the pound
- Chewing、EatときてのDigest
Follow on! Till the Grail sun sets in the mold.
Follow on! Till the gold is cold
- よくわかんないけどthe grailは聖杯、The Sun Setsは夕暮れでsets in the moldで型(鋳型)に収めるわけで、基本的には「聖杯を溶かして金(かね)にする」にイングランドの斜陽を織り込んでるんでいいんじゃないかと。
Knights of the Green Shield stamp and shout
- 『ガウェイン卿と緑の騎士』と「グリーン・シールド・スタンプ」をかけてる。グリーン・シールド・スタンプは商品切手。スーパーマーケットで買い物するともらえて、集めるとギフトと交換できたらしい。一時期流行って格好の風刺ネタになったそうで、JETHRO TULLも「Broadford Bazaar」で言及してる。当時のライブ映像でちらっとこのスタンプがステージ背景に投影されてるのが確認できる。
The deck is uneven right from the start
all of their hands are playing apart.
- イギリスの階級社会を暗喩してそう。
Follow on! A Round Table-talking down we go.
- A Round Table-Talk自体はふつうに円卓会議だが、先にThe GrailとかKnights of the Green Shieldってキーワードが出てきてるのでこれもなんとなくアーサー王伝説を想起させる。
「 I Know What I Like (In Your Wardrobe)」
Getting better in your wardrobe, stepping one beyond your show
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あるいは女装ネタだったりしないだろうか。
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その場合I know what I like, and I like what I knowという、労働階級の若者のある種保守的ともいえる態度と、おまえの衣装箪笥や衣装部屋、転じて衣装そのもののなかでおれ好みの衣装がどれかわかってる、というのがかかってる?
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だとすると、Your Showは歌詞中で主人公にあれこれ言う年長者たちが掲示する将来像よりいい、みたいなのと、おまえが着て見せるよりおれのが似合ってる、みたいな二重のやつだったりするか。wordrobeって俗語もあるっぽいけどわからん。
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つまり前曲の"You are what you wear, wear well”は女装の伏線だったんだよ!(そうか?)
- 「そうとも読めるんじゃないか」というだけです。
「The Battle of Epping Forest」
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Forest Roadはロンドン、イーストエンドのWalthamstowにある通り。イーストエンドといったら歴史的には「切り裂きジャック」とか『どん底の人びと』とか。
- なんかむっちゃ言葉遊びがある。
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最後はみんな疲れて翌朝結果を見るかと退散したあとでBlackcap Barons(ギャングのボスたち)がやってきて「生き残りはなし、引き分けか」みたいな。
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2つのギャングの「銃を用いない」闘争とそのオチは、暗にイギリスの二大政党制を示唆してもいるだろうか。
「Aisle of Plenty」
"I don't belong here", said old Tessa out loud
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I Don't Belong Hereのニュアンスがわからない。「ここにふさわしくない・居心地が悪い・場違いだ」ということではあるんだけども。あるいはバーゲンセールの呼び文句的なやつだったり?
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「Dancing with the Moonlit Knight」ではOld Fat Ladyが占いしてたけどこっちはTessa婆さん。
"Easy, love, there's the Safe Way Home."
- thankful for her Fine Fair discount
- Fine Fareってスーパーマーケットチェーンもある。
Tess Co-operates
Still alone in o-hell-o
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お地獄お
- see the deadly nightshade grow
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The Deadly Nightshadeはいわゆるベラドンナ、つまり毒薬の材料。言葉通りの意味と「The Cinema Show」で『ロミオとジュリエット』を使ったのにかけてるんじゃないかと。ちなみにジュリエットが飲んだ仮死の薬はマンドラゴラで、ロミオが薬売りから買ったのが毒薬(原材料表記なし)。
- 以降商品名とか