SANTANA’s Greatest Hits (1974)
1974年7月リリースのコンピレーション・アルバム。
SANTANAとしてのスタジオ・アルバムでいうと『Welcome』と『Borboletta』の間、もっと細かくいうと日本限定のライブ盤『Lotus』とカルロス・サンタナとアリス・コルトレーンの共演盤『Illuminations』の間という時期にリリースされていて、このコンピの大ヒットがこの時期のサンタナの活動を支えてた面があったんじゃないかとも思ったり。
選曲は初期3作のシングル曲を中心に「Evil Ways」「Jingo」「Black Magic Woman」は短く編集されたシングル・バージョンを収録し、最新作『Welcome』と『Caravanserai』は潔くカット。
全体で35分程度の、手軽に初期SANTANAの一面を俯瞰できるアルバムといった風情で、ついでにオリジナル・アルバムばっかり聴いてると耳にする機会のないシングル・エディットも入ってる、みたいな。
初期3作のベスト盤でありながら「Soul Sacrifice」も「No One to Depend On」も未収録なのが今となっては微笑ましい。
ジョン・ベルグのデザインによるタイトルもバンド名も入っていない写真のみの表ジャケットは3rdアルバムを踏襲しているような感じもある。
正直以前だったらとにかくオリジナル・アルバムを聴くべきでベスト盤とか時間と金の無駄くらいに思っていたとこあるけど、気がつくとリサイクルショップのジャンク品コーナーで見つけたこういうレコードをいそいそと持って帰って綺麗に洗ったりするようになっていたのでありました。
米Columbia、PC 33050。
マトリクスは機械打ちで、AL 33050-1C / BL-33050-1F。
両面ともマトの前に"p"があるのでピットマン工場かなと思うんだけど、B面には"p"に加えて手書きの"SX"もあるので、よくわかりません。
このアルバムはLPと8トラでQuadraphonic Mix版も同時リリースされている。
Quad盤はレーベル面の再生時間表記がステレオ盤と同じだけど、実際にはステレオでシングル・エディットが収録されているトラックもアルバムと同じバージョンらしく、オリジナル・アルバムの4ch音源をそのまま持ってきてると思われ。
なんかサンタナ関係ってけっこうクアッドが充実してるよな。
ベスト盤としては完全に役割を終えているけど、さすがに700万枚以上の売上を誇る大ヒットアルバムだからかきっちりCD化も配信もされている。
たぶん3rdアルバムのリマスター盤にボーナス・トラックとして収録されてる「No One to Depend On」のシングル・バージョンと合わせると初期シングルのデジタル音源をそれとなく揃えられたりするようになっているのかも知れない。